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  • 平成31年度町政執行方針

更新日:2021年08月23日

公開日:平成31年3月4日

 

はじめに

 平成30年芽室町議会定例会3月定例会議の開会にあたり、平成31年度町政執行の基本方針並びに重点施策を申し上げます。

 

経済情勢と総合計画実現に向けて

 我が国の経済情勢は、雇用・所得環境の改善が続く中で、緩やかな回復をみせ、個人消費や民間設備投資が持ち直すなど、経済が着実に循環されつつあるとされています。

 政府は、持続的な成長経路の実現に向けて潜在成長率を引上げるため、「人づくり革命」と「生産性革命」を最優先で取り組むとしており、全世代型社会保障制度への取組を進め、少子高齢化という最大の壁に立ち向かっていくとしています。また、本年10月に予定されている消費税率の引上げに伴う対応については、引上げ前後の需要を平準化するための十分な支援策を講じるとしています。

 一方、内閣府の月例経済報告では、「先行きについては、雇用・所得環境の改善が続く中で、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が続くことが期待される」とされ、個人消費は持ち直していると判断しています。

これら現況のもと、本町の経済状況を見ますと、個人消費は回復・持ち直している状態でありますが、真の上昇とは言えず、日常生活は依然厳しいものと認識しております。

 本町は本年、戸長役場が設置されてから120年の節目の年を迎えます。これまで先人が積み重ねてきた歴史と努力に感謝するとともに、受け継いできた貴重な財産を次の世代にしっかりと引き継いでいかなければなりません。

 このことを踏まえ、「第5期芽室町総合計画の将来像」実現を目指し、平成31年度は総合計画期間の初年度となることから、将来目標と現況下の課題を的確に認識し、「総合計画」に掲げた明確な指針に基づき予算編成したものであります。

 それでは、第5期芽室町総合計画のまちづくりの5つの基本目標ごとに、重点施策を申し上げます。

 

農業を軸とした活力と賑わいのあるまちづくり

 まず、1つ目の「農業を軸とした活力と賑わいのあるまちづくり」であります。

 施策の「担い手育成と農業の応援団づくり」では、農畜産物の国際貿易情勢について、引き続き政府の動向を注視しながら農業関係機関と本町が組織する芽室町農業再生協議会を中心として情報共有と適切な対応を進めます。
 また、風雪害防止と農村景観維持のため、耕地防風林の植栽・枝払いに要する経費の一部助成を継続し、耕地防風林の保育・造成を支援します。
 さらに、小学生を対象とした、めむろ農業小学校と町民対象の地産地消バスツアーを継続実施し、事業名を食農理解促進事業と改め、子どもから大人まで農業に対する理解を深める取組を進めます。

 「農業生産性の向上と経営基盤支援」では、「てん菜」の作付面積を確保し輪作体系を維持するため、てん菜作付奨励総合対策事業を継続実施します。
 また、畜産クラスター事業を継続実施するとともに、哺育育成施設の設計および建設工事に着手し、酪農家の生産基盤強化と労働負担軽減を目指します。さらに、停電時の自主的な被害防止を推進するため、酪農家の発電機購入費用の一部を支援する制度を新設します。

 「農地・土地改良施設等の整備・充実」では、道営土地改良事業を継続実施し、畑地かんがい・暗渠排水などによる畑作生産基盤の整備と営農用水事業を活用した無水源地域の飲用水対策などを進めます。

 「地域内循環の推進と商工業の振興」では、新たに販路開拓等に取り組む小規模事業者を支援する制度を創設し、空き店舗対策等の中心市街地活性化を目指します。
 また、町内企業の人手不足対策および町内で就職を希望する人を支援するため、「無料職業紹介所(地方版ハローワーク)」を開設します。
 さらに、工業団地立地企業の人手不足解消を目的とした企業採用担当者向けの研修会を開催するとともに、従業員採用合同説明会出展等に対する支援制度を創設します。

 「地域資源を活用した観光の振興」では、芽室町外の個人の方からの寄附に対して本町特産品を贈呈する「ふるさと納税特典贈呈事業」を継続するとともに、本町の食と景観を活用したサイクルツーリズム(めむろ散走)に継続して取り組み、交流人口の増加と農畜産物のPRを促進します。
 また、今後の新嵐山スカイパークの運営形態等の検討のため、サウンディング型市場調査を実施し、官民協働の視点を活かした再整備方針を定めます。

 

心豊かで輝く人と文化を育むまちづくり

 次は、2つ目の「心豊かで輝く人と文化を育むまちづくり」であります。

 施策の「学校教育の充実」では、学校施設の長寿命化を目指し、芽室小学校体育館等改修実施設計、芽室小学校地下燃料タンク改修工事などを実施します。また、教育環境の整備として、芽室小学校外付エレベーター設置実施設計、芽室中学校外付エレベーター設置工事、芽室中学校バリアフリー工事、中学校扇風機取付工事などを実施します。

 「地域文化の振興」では、中央公民館の施設老朽化に対応するため、大ホール照明改修工事を実施します。

 「スポーツしやすい環境づくり」では、美生川パークゴルフ場の芝生の造成を行います。

 

誰もが健康で自分らしく笑顔で暮らせるまちづくり

 次は、3つ目の「誰もが健康で自分らしく笑顔で暮らせるまちづくり」であります。

 施策の「生涯を通じた健康づくり」では、乳幼児・児童・高齢者の予防接種費用の助成と、子育て支援の観点から中学3年生と高校3年生を対象としたインフルエンザ予防ワクチン接種費用の半額助成を継続するとともに、特定健診受診率向上を目指した節目年齢の国民健康保険加入者の特定健診自己負担金の減免や、健康ポイント制度を継続し、健康づくりへの積極的な参加を促進します。

 「公立芽室病院の総合的な医療体制の維持・発展」では、診療機器の計画的更新を進めるとともに、引き続き、医師・看護師確保も含めた医療体制の維持と充実に全力をあげて取り組みます。
 また、厳しい経営状況に対応するため、病院事業会計として平成30年度までに累積した資金不足相当分について、一般会計で負担することとし、平成34年度までに解消を目指します。

 「安心して生み育てることができる子育て支援」では、すべての子どもが健やかに育つよう、疾病の早期発見・治療を進めるとともに、子育て世帯の経済的負担を軽減するため、事業名をこども医療費給付事業と改め、子どもの医療費助成を拡充し、中学生までの通院・入院に係る医療費を無料化にすることにより、子どもの健康と子育てしやすい環境の整備を進めます。
 また、妊婦健診費用全額助成、不妊治療費助成を継続するとともに、貧困を含む様々な困難を抱える児童に対する学習支援や食事の提供を行う、「子どもの居場所づくり事業」を継続し、児童が地域で安心して暮らせる環境を充実させます。
 さらに、妊娠中や子育て中に気軽に相談できる「子育て世代包括支援センター」を継続開設するとともに、新たにデイサービス型の産後ケア事業を実施します。
 なお、子育て支援の主要施策である発達支援システムについては、早期発見から青年期支援・就労支援まで一貫性と継続性のあるサポートを引き続き実施します。

 「子育て環境の充実」では、多子世帯の保育料について、世帯の所得を問わずに第2子以降の保育料軽減と、保育所の待機児童数ゼロを継続し、安心して子どもを預けられる体制を維持します。
 また、急性期疾病の保育児が病児保育施設を利用する保護者に対し、利用料を助成するとともに、町内における病児保育実施向けた検討を進め、子育てと仕事の両立を支援します。

 「高齢者福祉の充実」では、介護保険制度改正に対応する総合事業を継続するとともに、地域包括ケアシステムの取組として、各種介護予防教室、認知症総合支援を推進し、更には、地域住民による生活支援体制を確立するため、生活支援コーディネーターの配置強化や高齢者の食事支援を通じた暮らしの安定を図るため、高齢者食事サービス事業の拡充を図ります。
 また、介護人材の不足は本町においても深刻な課題となっていることから、訪問介護従事者や総合事業従事者の養成、無資格就労者のキャリアアップ・有資格者の復職研修を一体的に行い、介護サービス体制の確保に努めます。

 「障がい者の自立支援と社会参加の促進」では、町業務における職場実習と就労体験を継続するとともに、就労継続支援A型事業所への支援、障がい者の一般就労への移行・定着に向けて、職域開拓・受入企業支援・マッチング・定着支援など、障がい者雇用の拡大を目指します。
 また、障がいのある人の生活の場の確保などを目的に、社会福祉法人が建設するグループホームおよび短期入所施設に対し、建設費を支援します。

 

自然と共生する災害に強い安全・安心のまちづくり

 次は、4つ目の「自然と共生する災害に強い安全・安心のまちづくり」であります。

 施策の「災害に強いまちづくりの推進」では、「自助・共助の意識啓発強化」として、地域防災マスターの活動強化と町内会等の自主防災組織の設立や運営支援などを継続します。
 また、「公助としての計画やルールの策定・見直し」として、「災害告知用戸別端末」の全戸導入に向けた調査を実施するとともに、防災拠点倉庫建設に向けた実施設計を実施します。さらに、役場庁舎の停電対策として、非常用発電機を配備します。

 「消防・救急の充実」では、とかち広域消防事務組合による体制の維持と円滑な運営を進めるとともに、防火水槽を整備し消防水利の確保に努めます。
 また、消防庁舎老朽改修工事の一環として、地下タンク貯蔵所の入替え工事を行うとともに、消防活動に必要な救助工作車、広報車の更新を行います。

 「快適な住環境の整備」では、「芽室町公園施設長寿命化計画」に基づき5公園の老朽遊具を更新し、また、「公営住宅等長寿命化計画」に基づき、西町団地のうち1棟8戸の外壁・屋根・建具の長寿命化型改善工事を継続実施します。

 「道路交通環境の整備」では、交通弱者の移動手段として市街地にコミュニティバス(じゃがバス)を継続運行するとともに、農村地域における移動手段確保策検討の一環として、行事バスの運行およびタクシー助成事業を試験的に実施します。
 また、道路の老朽化が著しいことから、市街地、郊外地ともに、舗装・改良工事の事業延長を前年度と比較し増加させるとともに、芽室大橋長寿命化工事を実施します。
 さらに、除雪機械の更新計画に基づき、除雪トラックを更新します。

 「廃棄物の抑制と適正な処理」では、新たに、ごみ飛散防止ネットおよびカラス除けサークルの無償配布を行うとともに、資源ごみリサイクル促進の観点から、町内会などによる資源物集団回収に対する支援を強化します。

 「上下水道の整備」では、上水道、簡易水道、公共下水道など各施設の老朽化に対応した長寿命化の視点から計画的に更新工事を実施します。

 

住民と行政がともに考え未来へつなぐ自治のまちづくり

 次は、5つ目の「住民と行政がともに考え未来へつなぐ自治のまちづくり」であります。

 施策の「徹底した情報共有と町民参加の促進」では、町民の利便性向上のため、町ホームページの全面リニューアルを行います。

 「住民自治の実現と地域の活力の維持」では、「地域集会施設再整備計画」に基づき、地域協議が整った北明地域、毛根地域および美生地域の集会施設再整備を進めます。
 また、地域課題の解決を地域住民自らが創出・企画する活動や、住民活動を振興する団体活動支援を継続するとともに、小さな拠点づくりの一環として、上美生地域の地域将来ビジョン実現に向けた支援を行います。
 さらに、町内会は重要な地縁組織であることから、加入率向上のための取組に対し支援を行うとともに、住民活動の支援組織として町民活動支援センターの機能強化を図ります。

 「国際・地域間交流の推進」では、アメリカ合衆国トレーシー市と、平成元年8月に国際姉妹都市を締結し、30周年となることから、公式訪問団を結成し、訪問を行います。

 「効果的・効率的な行政運営」では、新年度策定する芽室町行政経営ポリシーに基づき、定型的事務作業の自動化導入に向けた調査研究を行います。
 また、「温水プール建替基本構想」に基づき、基本計画を策定します。
 さらに、子育て世帯新生活応援奨励制度および中古住宅購入世帯新生活応援奨励制度等を継続するとともに、移住対策の一環として、モニターツアーを実施します。

 「親切・便利な行政サービスの推進」では、役場新庁舎の2020年度中の供用開始を目指し、継続して工事を実施するとともに、関連公共施設の改修に向けた設計を実施します。

 

まとめ

 以上、第5期芽室町総合計画の基本目標ごとに重点施策を申し上げましたが、確実に進む人口減少の中で政策を展開していくためには、ひとつの政策をもって効果を期待することは難しく、政策間連携や複層的な政策実施が重要であり、実行計画および予算査定などの場を通して、関係各課と意見交換を行い、予算を編成しました。

 

平成31年度予算の概要

 ここで、平成31年度予算案の総括的概要について、申し上げます。

 一般会計ほか、7つの特別会計、2つの事業会計を合わせた予算総額は、209億2,399万4千円となり、前年度205億8,538万5千円と比較し、1.6%の増となりました。

 一般会計予算総額は、118億5,300万円で、前年度比4億2,300万円の増であります。特殊要素として、繰越明許費を含めた平成31年度実質予算は120億5,798万円でありますが、平成30年度実質予算は平成29年度予算の繰越明許費で実施した災害復興等の予算が3億8,785万4千円あり、実質予算は118億1,785万4千円であったことから、実質予算対比では2.0%の増となります。

 一般会計の歳入では、個人町民税については、約7割を占める給与所得は、政府の経済対策の地方への波及効果がまだ薄いこともあり、前年度課税実績の5%減と見込み、農業所得においては、品目による所得格差が大きかったことから、農業生産額で過去最高を記録した前年度課税実績と比較し、20%減と見込みました。
 一方、法人町民税は、農業関連企業の業績回復が見込まれますが、企業間格差が大きく前年度課税実績の10%減と見込み、また、固定資産税は、大手企業の工場建設による増が見込まれます。これらの状況から、町税全体では前年度当初予算額と比較し、1.9%の増と見込みました。

 歳入の約3割を占める地方交付税のうち普通交付税は、個別算定基礎を本町に当てはめた当初予算比では1.0%、3,000万円の増と見積もり、財政調整基金を3億5,000万円取り崩し、一般財源を確保することになりました。

 一方、歳出では、哺育育成施設の建設や地方版ハローワークの開設など「農業を軸とした産業の振興」、公立芽室病院の安定経営や中学生までの医療費無料化など「健康・子育て支援策の強化」、役場庁舎の停電対策や災害対策本部機能を備えた庁舎建設など「安全・安心の確保」、町内会の機能強化や集会施設の整備促進など「住民自治の強化」といった、「第5期芽室町総合計画」の実現のための予算編成としました。

 

むすびに

 以上、私の町政執行の基本方針および重点施策を述べさせていただきました。

 私は、町民の皆さんおよび各種団体・組織体の皆さん並びに企業・法人の皆さんなど、さまざまな主体と情報を共有し、支えあいながら、第5期芽室町総合計画の将来像である「みんなで創り みんなでつなぐ ずっと輝くまち めむろ」を目指し、このまちの課題解決に向けた協働のまちづくりを進めてまいりますが、町議会議員の皆さん並びに町民の皆さんにはご理解とご協力を賜りますよう、心からお願い申し上げ執行方針とします。

お問い合わせ

芽室町役場 政策推進課
TEL 0155-62-9721(直通)
〒082-8651 芽室町東2条2丁目14

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