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更新日:2024年10月15日
公開日:2024年10月11日
※本文中の「増加」「減少」は前年度との比較
令和5年度の一般会計から地域包括支援センターで行う介護予防ケアプランなどの介護サービス事業勘定費を除いた普通会計ベースの歳出決算額は、153億2,653万円となり、24億4,470万8千円の増額となりました。
歳入総額は156億7,314万3千円で、22億4,753万9千円の増額となりましたが、これは、都市構造再編集中事業国庫補助金(6億6,465万3千円)、物価高騰重点支援地方交付金(2億9,784万2千円)などが主な要因です。
主要な一般財源の状況は次のとおりです。
地方税(町税)の状況は、全体で32億2,128万4千円、1億7,282万2千円、5.1%の減額となりました。
町民税は、個人及び法人を合わせた町民税総額で1億5,265万5千円、10.6%減額の12億8,572万7千円となりました。
また、固定資産税の土地では10万3千円の減額、家屋では1,383万4千円の増額、償却資産では3,717万7千円の減額、固定資産税総額で2,313万円の減額、全体で1.4%減額の16億5,940万8千円となりました。
地方譲与税と各種交付金は、地方消費税交付金が176万4千円、0.4%減額したものの、自動車税環境性能割交付金が717万4千円の増額となり、全体では1,187万3千円、1.3%増額の9億4,371万3千円となりました。
本年度歳入の約24.7%を占める地方交付税のうち普通交付税は、基準財政収入額が5,946万9千円の増額となり、また、個別算定経費の単位費用の増加などにより、基準財政需要額(臨時財政対策債振替後)が1億6,973万5千円の増加となったことから、1億908万7千円の増額となりました。特別交付税は、3,193万円の減額となり、地方交付税全体では38億7,086万2千円で、7,715万7千円の増額となりました。
以上、経常一般財源(都市計画税は除く)は、地方税、地方消費税交付金等の増額により、総額で75億5,290万1千円、5,210万8千円、0.7%の減額となりました。
特定財源の主な状況は、次のとおりです。
分担金及び負担金は、国営土地改良事業受益者負担金が、339万5千円減額となり全体では222万4千円減少の1億859万5千円となりました。
使用料及び手数料は、総合体育館・温水プール・健康プラザなど社会体育施設が利用料金制となったことから減少となり、全体では341万7千円減少の2億8,848万1千円となりました。
国庫支出金のうち、新型コロナウイルス対応臨時交付金は2億7,768万4千円の皆減でしたが、都市構造再編集中支援事業国庫補助金が6億6,465万3千円の増額、物価高騰重点支援地方交付金の2億9,784万2千円皆増等もあり、全体では6億1,390万1千円増額の21億1,861万8千円となりました。
道支出金のうち、産地生産基盤パワーアップ事業道補助金1億3,941万1千円及び麦・大豆生産技術向上事業道補助金8,582万5千円の皆増、持続的畑作生産体系確立緊急支援事業道補助金3,557万5千円の増額等もあり、全体では2億5,038万7千円増額の13億79万1千円となりました。
財産収入は、土地売払収入が2,552万4千円増額となり、全体では2,341万2千円増額の5,199万3千円となりました。
寄附金は、ふるさと応援寄附金が1億8,148万2千円の増額により、1億8,627万5千円増加の4億6,754万2千円となりました。
繰入金のうち、公共施設整備基金繰入金が2億7,747万6千円、寄附金管理基金繰入金が1億2,891万2千円の増額で、全体では3億9,990万9千円増額の5億8,091万7千円となりました。
繰越金は、1億2,655万2千円減少の5億4,378万2千円となりました。
諸収入は、4億9,432万9千円で1,702万円の減少となりましたが、これは退職手当組合精算納付金還付金722万2千円の減少などによるものです。
町債は、温水プール建設事業債が8億7,430万円の皆増、道路整備事業債が1億5,340万円の増額、総合体育館改修工事事業債7,630万円増額したことなどから、全体で10億666万円増額の16億8,223万6千円となりました。
歳出総額は153億2,653万円となり、24億4,470万8千円の増額となりました。温水プール建替事業15億6,864万4千円の皆増、総合体育館改修事業2億1,532万円の皆増、物価高騰対策事業費3億4,817万2千円の皆増等が主なものとなっています。
経常経費の総額は、120億3,084万8千円で5億4,750万5千円増額しました。これは、産地生産基盤パワーアップ事業補助金や物価高騰対策補助金・給付金、ふるさと納税特典贈呈事業報償などの補助費等で2億8,485万円の増額となったことが主なものです。
また、経常経費のうち経常的なものの総額は90億7,712万1千円で2億2,522万3千円の増加となり、充当一般財源は68億2,201万7千円で9,820万円の増加となりました。これは、ふるさと納税特典贈呈事業報償などが増加したことにより、補助費等への経常一般財源充当額が1億8,653万5千円増加したことが主な要因となっています。
人件費は、職員給で1,860万4千円減少しました。主な要因は退職手当組合負担金4,641万6千円減少や、地方公務員共済組合等負担金1,300万8千円減少となったことなどです。
5年度 | 4年度 | 増減 | |
---|---|---|---|
人件費 | 1,898,798千円 | 1,917,402千円 | △18,604千円 |
投資的経費に充当された人件費 | 25,236千円 | 14,365千円 | 10,871千円 |
人件費 計 | 1,924,034千円 | 1,931,767千円 | △7,733千円 |
区分 | 5年度 | 4年度 | 増減 |
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うち職員給与 | 1,139,071千円 | 1,094,231千円 | 44,840千円 |
義務的経費(人件費・扶助費・公債費)は46億4,464万6千円となり、人件費では1,860万4千円減少の18億9,879万8千円、公債費は1億211万5千円増加の10億5,419万円となりました。
扶助費は16億9,165万8千円で、扶助費全体では4,011万4千円の減少となりました。主に、令和4年度に実施した、物価高騰対策関連の低所得者への給付金などが大きく減少したことに伴うものであります。
消費的経費(人件費・扶助費・公債費・物件費・維持補修費・補助費等)のうち、義務的経費以外の物件費は、ふるさと納税の返礼に係る経費の増加などにより、23億5,470万9千円で、物件費全体では、9,870万7千円の増加となりました。
維持補修費は、除排雪業務委託料で803万円の減少などにより、4,390万2千円減少の4億7,610万8千円となりました。
補助費等については、産地生産基盤パワーアップ事業補助金1億3,941万1千円の皆増、物価高騰対策補助金1億1,095万円の皆増、ふるさと納税特典贈呈事業報償で3,656万9千円の増加など、合計では2億8,485万円増加の29億391万4千円となりました。
投資的経費は32億9,568万2千円で18億9,720万3千円の増額となりましたが主な事業の増減は次のとおりです。
温水プール建替工事(8億8,116万円皆増)、温水プール外構工事(1億3,089万円皆増)、温水プール解体工事(3億7,214万円皆増)、プール備品購入費(9,502万円皆増)など
その他経費として、積立金については、寄附金管理基金積立金で1億8,582万5千円の増加があったものの、公共施設整備基金積立金で3,644万2千円の減額となるなど、合計では1億7,840万1千円増額の5億5,597万7千円となりました。
また、貸付金は1,230万円増額の3億3,760万円です。
繰出金は2,443万5千円の減額で5億8,823万5千円となりました。特別会計への繰出しは、国民健康保険特別会計で596万円の増額、後期高齢者医療特別会計で439万7千円の増額、介護保険特別会計で1,590万3千円の増額となったものの、簡易水道特別会計で3,188万5千円の減少となりました。
なお、普通会計ベース決算とするため、介護サービス事業勘定会計への繰出しが4,747万5千円で、71万1千円増加しています。
【実質収支】
この結果、歳入歳出差引額は3億4,661万3千円で、翌年度に繰り越すべき財源1,082万5千円を差し引いた実質収支は3億3,578万8千円の黒字となりました。
比率の分母となる歳入経常一般財源は、地方税で1億7,352万7千円減額、地方消費税交付金は176万4千円減額、普通交付税は1億908万7千円増額し、合計では、75億5,290万1千円で5,210万8千円の減少となりました。
なお、臨時財政対策債5,373万6千円を加えた合計では76億663万7千円で1億1,144万8千円、約1.4%の減少になりました。
比率の分子となる歳出充当経常一般財源は、前年度と比べ、補助費、公債費などで増加となりました。
この結果、合計では68億2,201万7千円、9,820万円、約1.5%の増加となり、比率の分母となる歳入経常一般財源が1.4%減少し、分子となる歳出充当経常一般財源が1.5%の増加となり、経常収支比率が増加することとなりました。
※2,494万円の減少(地方財政状況調査ベース)
主なものは、公共施設整備基金の減少(2億7,282万4千円)、寄附金管理基金の増加(2億4,610万6千円)、農業振興基金の減少(774万8千円)となっています。
基金 | 残高 |
---|---|
財政調整基金 | 1,102,423千円 |
減債基金 | 161,143千円 |
公共施設整備基金 | 531,150千円 |
地域福祉基金 | 218,795千円 |
地域振興基金 | 117,685千円 |
農業振興基金 | 174,735千円 |
庁舎建設基金 | 0千円 |
その他 | 736,106千円 |
基金合計 | 3,042,035千円 |
基金 | 残高 |
---|---|
(参考)備荒資金普通分残高 | 132,859千円 |
(参考)備荒資金普通超過分残高 | 259,407千円 |
6億6,742万6千円の増加
起債残高の増加については、元金償還が10億1,481万円に対し、発行額が16億8,223万6千円であったためです。
なお、令和6年度の起債発行予定額は10億7,180万円であるのに対し、元金償還額約10億5,864万6千円のため、今後の起債残高は増加傾向にあります。
地方自治体の財政の健全化に関する法律に基づく、令和4年度決算に基づく各指標は次のとおりです。
なお、令和5年度決算に基づく指標については、8月初旬に算定するため確定後、監査に付す予定であります。
比率 | 芽室町 | 早期健全化基準 | 財政再生基準 | 備考 |
---|---|---|---|---|
(1)実質赤字比率 | 該当なし | 13.88% | 20% | |
(2)連結赤字比率 | 該当なし | 18.88 | 30% | |
(3)実質公債費比率 (18%以上起債許可団体) |
6.5% | 25% | 35% | 18%以上 起債許可団体 |
(4)将来負担比率 | 58.1% | 350% | - |
注)連結赤字比率の財政再生基準については経過措置があり、平成20年度および平成21年度は40%、平成22年度は35%、平成23年度以降は30%
実質赤字比率については、一般会計において実質収支が黒字であったため、該当しません。
連結実質赤字比率についても、全会計の実質収支の合計額が黒字であったため、該当しません。
実質公債費比率については、前年度から1.3ポイント増加し、6.5%となりました。
将来負担比率については、前年度から14.7ポイント増加し、58.1%となりました。
なお、18.0%以上の起債許可団体になると実質公債費負担の適正な管理のため公債費負担適正化計画を策定しなければなりません。
令和5年度の決算状況を見ますと、経常一般財源は地方税の減に加え、臨時財政対策債も大幅に減少したことから、合計額は1億1,144万8千円、1.4%の減少となりました。また、経常経費への充当一般財源については、補助費や公債費の増により、9,820万円、1.5%の増加となりました。
このことから、経常収支比率は2.6ポイント増加となりました。
経常一般財源の割合は町税が約42%、普通交付税も約46%を占めており、町税においては、農業生産額は好調であったものの、資材など物価高騰や円安の影響などにより、個人・法人町民税とも伸びず、全体として町税収入は減少しました。一方、普通交付税については、個別算定経費・包括算定経費とも単位費用の引き上げにより、令和5年度は減少しております。
また、起債残高は、令和5年度は前年度に比べて6億6,742万6千円増かしましたが、プール建設事業や総合体育館改修事業に関する起債を新規発行したためであり、今後においても役場庁舎や地域集会施設の建設、光ファイバー整備事業債などインフラ整備にかかる元金の償還が始まり、元利償還金が増加することで、財政負担への影響が見込まれ、財政の硬直化は予断を許さない状況が続くと予想されます。そのため、これまで以上に歳出全体の見直しを図るとともに、特別・企業会計の健全化を進め、歳入においても収納の一元化により収納率向上を図るなど、歳入の確保が求められます。
国は「経済財政運営と改革の基本方針2024」を閣議決定しましたが、財政再建目標には直接触れず、中長期的な経済財政運営に向けて、「成長と分配の好循環」及び「賃金と物価の好循環」の実現に向け、競争力と成長力強化のための構造改革に取り組むとともに、持続可能な財政構造を確立するための取組を着実に推進し、長期にわたり染みついた「デフレ心理」を払拭し、社会全体に、賃金と物価が上がることは当たり前であるという意識を定着させ、デフレからの完全脱却、そして、経済の新たなステージへの移行へとつなげていくとしています。
しかし、新型コロナウイルス感染症対策や物価高騰対策などのため、国の財政状況は悪化しており、物価上昇に伴う経常経費の増加分が地方交付税にどの程度反映されるかわかりません。また、地方交付税の原資となる法定5税についても見通しが不透明であり、来年度以降の臨時財政対策債を含めた地方交付税は、大変厳しいものと考えられます。
したがって、持続可能なまちづくりを進めるため、第5期芽室町総合計画に基づきながら、今後より一層厳しくなると見込まれる財政状況に対応できるよう、長年続けてきた事業についてもゼロベースで検証し、長期的な視点に立った安定的な財政運営に努めていかなければなりません。
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