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  • 令和6年度普通会計決算の分析

更新日:2025年09月25日

公開日:2025年09月25日

※本文中の「増加」「減少」は前年度との比較


1 普通会計歳入歳出決算概況

 令和6年度の一般会計から地域包括支援センターで行う介護予防ケアプランなどの介護サービス事業勘定費を除いた普通会計ベースの歳出決算額は、142億4,972万5千円となり、10億7,680万5千円の減額となりました。

 

2 普通会計歳入歳出決算内訳

歳入

 

 

 歳入総額は146億5,575万7千円で、10億1,738万6千円の減額となりましたが、これは、都市構造再編集中事業国庫補助金(2億3,433万6千円)、公共施設整備基金繰入金(2億3,433万6千円)などが主な要因です。

 

 主要な一般財源の状況は次のとおりです。

 

 地方税(町税)の状況は、全体で32億3,945万1千円、1,816万7千円、0.6%の増額となりました。

 町民税は、個人及び法人を合わせた町民税総額で2,369万2千円、1.8%減額の12億6,203万5千円となりました。

 また、固定資産税の土地では1,487万1千円の増額、家屋では647万9千円の減額、償却資産では3,184万4千円の増額、固定資産税総額で4,054万2千円の増額、全体で2.4%増額の16億9,995万円となりました。

 地方譲与税と各種交付金は、地方消費税交付金が定額減税の影響で8,228万6千円の大幅増額となり、全体では1億1,434万8千円、12.1%増額の10億5,806万1千円となりました。

 本年度歳入の約28.5%を占める地方交付税のうち普通交付税は、基準財政収入額が3,683万1千円の減額となり、また、個別算定経費の単位費用の増加や追加の再算定などにより、基準財政需要額(臨時財政対策債振替後)が3億5万5千円の増加となったことから、3億3,688万5千円の増額となりました。特別交付税は、3,090万9千円の減額となり、地方交付税全体では41億7,683万8千円で、3億597万6千円の増額となりました。

 以上、経常一般財源(都市計画税は除く)は、普通交付税等の増額により、総額で80億2,099万7千円、4億6,809万6千円、6.2%の増額となりました。

 

 特定財源の主な状況は、次のとおりです。

 

 分担金及び負担金は、国営土地改良事業受益者負担金が、2,590万6千円増額となり全体では2,339万円増額の1億3,198万5千円となりました。

 

 使用料及び手数料は、新嵐山スキー場再開によりリフト使用料が一般会計収入となったことから1,194万8千円の増加、全体では1,338万2千円増額の3億186万3千円となりました。

 

 国庫支出金のうち、都市構造再編集中支援事業国庫補助金が6億6,945万3千円の皆減、物価高騰重点支援地方交付金の1億3,891万8千円の減額等もあり、全体では6億9,909万4千円減額の14億1,952万4千円となりました。

 

 道支出金のうち、麦・大豆生産技術向上事業道補助金5,685万円、持続的畑作生産体系確立緊急支援事業道補助金4,794万1千円の減額等もあり、全体では3,729万4千円減額の12億6,349万7千円となりました。

 財産収入は、土地売払収入が3,135万4千円増額となり、全体では2,067万2千円増額の7,266万5千円となりました。

 

 寄附金は、ふるさと応援寄附金が1億6,896万7千円の増額により、1億6,616万7千円増加の6億3,370万9千円となりました。

 

 繰入金のうち、公共施設整備基金繰入金が2億3,433万6千円、寄附金管理基金繰入金が1,174万7千円の減額で、全体では2億5,182万円減額の3億2,909万7千円となりました。

 

 繰越金は、1億9,716万9千円減少の3億4,661万3千円となりました。

 

 諸収入は、7億1,522万2千円で2億2,089万円の増額となりましたが、これは十勝複合事務組合新中間処理施設整備負担金2億1,265万7千円の皆増などによるものです。

 

 町債は、温水プール建設事業債の8億7,430万円の皆減したことなどから、全体で7億1,500万4千円減少の9億6,723万2千円となりました。

歳出

 

 歳出総額は142億4,972万5千円となり、10億7,680万5千円の減額となりました。温水プール建替事業16億6,366万円の皆減、物価高騰対策事業費1億5,397万3千円、新型コロナウイルス対策事業費6,575万6千円の減額等が主なものとなっています。

 

 経常経費の総額は、127億1,075万4千円で6億7,990万6千円増額しました。これは、スクールバス運行業務委託料やメムロスキー場管理業務委託料、ふるさと納税寄附管理業務委託料など物件費で2億5,515万5千円の増額となったことが主なものです。

 

 また、経常経費のうち経常的なものの総額は95億2,840万6千円で4億5,128万5千円の増加となり、充当一般財源は72億3,643万4千円で4億1,441万7千円の増加となりました。これは、スクールバス運行業務委託料などが増加したことにより、物件費への経常一般財源充当額が1億4,254万7千円増加したことが主な要因となっています。

 

 人件費は、1億473万9千円増加しました。主な要因は職員給与のベースアップや期末・勤勉手当支給率の増かなどによるものです。

人件費分析
6年度 5年度 増減
人件費 2,003,537千円 1,898,798千円 104,739千円
投資的経費に充当された人件費   20,013千円   25,236千円 △5,223千円
人件費 計 2,023,550千円 1,924,034千円 99,516千円
職員給与分析
区分 6年度 5年度 増減
うち職員給与 1,199,803千円 1,139,071千円 60,732千円

 

 義務的経費(人件費・扶助費・公債費)は49億118万4千円となり、人件費では1億473万9千円増加の20億353万7千円、公債費は4,976万9千円増加の11億395万9千円となりました。

 

 扶助費は17億9,368万8千円で、扶助費全体では1億203万円の増加となりました。主に、障害者自立支援や児童手当などが増加したことに伴うものであります。

 

 消費的経費(人件費・扶助費・公債費・物件費・維持補修費・補助費等)のうち、義務的経費以外の物件費は、ふるさと納税の返礼に係る経費の増加などにより、26億986万4千円で、物件費全体では、2億5,515万5千円の増加となりました。

 

 維持補修費は、除排雪業務委託料で688万6千円の増加などにより、28万9千円増加の4億7,639万7千円となりました。

 

 補助費等については、臨時特別給付金事業費補助金1億5,542万円の皆増、ふるさと納税特典贈呈事業報償3,017万1千円の増加、介護保険施設環境整備補助金2,858万1千円の皆増など、合計では3,419万4千円増加の29億3,810万8千円となりました。

 

 投資的経費は15億3,897万1千円で17億5,671万1千円の減額となりましたが主な事業の増減は次のとおりです。

 

 温水プール建替工事(8億8,116万円皆減)、温水プール外構工事(1億3,089万円皆減)、温水プール解体工事(3億7,214万円皆減)、プール備品購入費(9,502万円皆減)、総合体育館改修工事(1億1,702万円増額)、中央公民館空調設備設置工事(4,015万円皆増)など

 

 その他経費として、積立金については、減債基金積立金で2億3,235万6千円、寄附金管理基金積立金で1億811万4千円の増加となるなど、合計では1億3,365万9千円増額の6億8,963万6千円となりました。

 

 また、貸付金は1,432万円増額の3億5,192万円です。

 

 

繰出金は3,501万5千円の減額で5億5,322万5千円となりました。特別会計への繰出しは、国民健康保険特別会計で1,433万8千円の減額、後期高齢者医療特別会計で466万6千円の増額、介護保険特別会計で30万9千円の増額となりました。

 なお、普通会計ベース決算とするため、介護サービス事業勘定会計への繰出しが4,678万3千円で、69万2千円減額しています。

【実質収支】

 この結果、歳入歳出差引額は4億603万2千円で、翌年度に繰り越すべき財源2,185万3千円を差し引いた実質収支は3億8,417万9千円の黒字となりました。

 

3 主要指標および資産負債残高

経常収支比率:〔89.9%〕 0.2ポイントの増加

 

 比率の分母となる歳入経常一般財源は、地方税で1,725万4千円増額、地方消費税交付金は1,296万1千円増額、普通交付税は3億3,688万5千円増額し、合計では、80億2,099万7千円で4億6,809万6千円の増額となりました。

 なお、臨時財政対策債2,713万2千円を加えた合計では80億4,812万9千円で4億4,149万2千円、約5.8%の増加になりました。

 比率の分子となる歳出充当経常一般財源は、前年度と比べ、物件費、補助費などで増加となりました。

 この結果、合計では72億3,643万4千円、4億1,441万7千円、約6.1%の増加となり、比率の分母となる歳入経常一般財源が5.8%増加し、分子となる歳出充当経常一般財源が6.1%の増加となり、経常収支比率が増加することとなりました。

基金積立金残高:〔34億257万5千円〕

※3億6,054万円の増加(地方財政状況調査ベース)

 

 主なものは、減債基金の増加(2億3,235万6千円)、寄附金管理基金の増加(1億811万4千円)、公共施設整備基金の増加(1,772万5千円)となっています。

基金積立金残高の内訳
基金 残高
財政調整基金 1,103,009千円
減債基金  393,499千円
公共施設整備基金  548,875千円
地域福祉基金  218,795千円
地域振興基金  111,580千円
農業振興基金  177,362千円
その他  849,455千円
基金合計 3,402,575千円
備荒資金残高の内訳
基金 残高
(参考)備荒資金普通分残高  134,200千円
(参考)備荒資金普通超過分残高  266,060千円

地方債残高:〔136億9,921万7千円〕

9,141万3千円の減少

 

 起債残高の減少については、元金償還が10億5,864万5円に対し、発行額が9億6,723万2千円であったためです。

 なお、令和7年度の起債発行予定額は8億510万円であるのに対し、元金償還額約11億8,123万7千円のため、今後の起債残高は減少傾向にあります。

 

財政健全化法に基づく指標

  地方自治体の財政の健全化に関する法律に基づく、令和5年度決算に基づく各指標は次のとおりです。
 なお、令和6年度決算に基づく指標については、8月初旬に算定するため確定後、監査に付す予定であります。

比率 芽室町 早期健全化基準 財政再生基準 備考
(1)実質赤字比率 該当なし 13.84% 20%
(2)連結赤字比率 該当なし 18.84 30%
(3)実質公債費比率
(18%以上起債許可団体)
8.1% 25% 35% 18%以上
起債許可団体
(4)将来負担比率 82.6% 350% -

 注)連結赤字比率の財政再生基準については経過措置があり、平成20年度および平成21年度は40%、平成22年度は35%、平成23年度以降は30%

 実質赤字比率については、一般会計において実質収支が黒字であったため、該当しません。

 連結実質赤字比率についても、全会計の実質収支の合計額が黒字であったため、該当しません。

 実質公債費比率については、前年度から1.6ポイント増加し、8.1%となりました。

 将来負担比率については、前年度から24.5ポイント増加し、82.6%となりました。

 なお、18.0%以上の起債許可団体になると実質公債費負担の適正な管理のため公債費負担適正化計画を策定しなければなりません。

 

4 まとめ

 令和6年度の決算状況を見ますと、経常一般財源は普通交付税及び地方特例交付金が大幅に増加し、臨時財政対策債を加えた合計額は4億4,149万2千円、5.8%の増加となりました。また、経常経費への充当一般財源については、物件費や補助費の増により、4億1,441万7千円、6.1%の増加となりました。

 このことから、経常収支比率は0.2ポイント増加となりました。

 経常一般財源の割合は町税が約40%、普通交付税も約47%を占めており、町税においては、定額減税の影響により個人町民税は減額となり、法人町民税は農業粗生産額は好調であったものの、資材など物価高騰や円安の影響などにより伸びず、全体として町税収入は減少しました。一方、普通交付税については、個別算定経費・包括算定経費とも単位費用の引き上げにより、令和6年度は大幅に増加しております。

 また、起債残高は、令和6年度は前年度に比べて9,141万3千円減少しましたが、プール建設事業や総合体育館改修事業など大型事業に関する起債の新規発行がひと段落したためであり、今後においては役場庁舎をはじめ温水プール、総合体育館、地域集会施設、光ファイバー整備事業などインフラ整備にかかる元金の償還が始まり、元利償還金が増加することで、財政負担への影響が見込まれ、財政の硬直化は予断を許さない状況が続くと予想されます。そのため、これまで以上に歳出全体の見直しを図るとともに、特別・企業会計の健全化を進め、歳入においても収納の一元化による収納率向上や、使用料手数料の適正な受益者負担の見直し検討など、歳入の確保が求められます。

 国は「経済財政運営と改革の基本方針2025」を閣議決定しましたが、財政再建目標には直接触れず、中長期的な経済財政運営に向けて、「賃上げこそが成長戦略の要」との考え方に立って、最低賃金の引き上げを含め、物価上昇を安定的に上回る賃上げを実現し、国民が「今日より明日はよくなる」と実感でき、ふるさとへの思いを高めることができる「新しい日本・楽しい日本」を実現することを目指すとしています。

 しかし、世界に安定と繁栄をもたらしてきた国際秩序は、現在、自国第一主義や権威主義的国家の台頭によって変化しつつあり、また、本格的な人口減少を見据えた経済・財政・社会保障制度の持続可能性の確保など、我が国の財政状況は悪化しており、物価上昇に伴う経常経費の増加分が地方交付税にどの程度反映されるかわかりません。また、地方交付税の原資となる法定5税についても見通しが不透明であり、来年度以降も地方交付税の状況は、楽観できるものではなく大変厳しいものと考えられます。

 したがって、持続可能なまちづくりを進めるため、第5期芽室町総合計画に基づきながら、今後より一層厳しくなると見込まれる財政状況に対応できるよう、長年続けてきた事業についてもゼロベースで検証し、長期的な視点に立った安定的な財政運営に努めていかなければなりません。

資料

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芽室町役場 政策推進課
TEL 0155-62-9721(直通)
〒082-8651 芽室町東2条2丁目14

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