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  • 令和3年度普通会計決算の分析

更新日:2022年10月25日

公開日:2022年10月25日

※本文中の「増加」「減少」は前年度との比較


1 普通会計歳入歳出決算概況

 令和3年度の一般会計から地域包括支援センターで行う介護予防ケアプランなどの介護サービス事業勘定費を除いた普通会計ベースの歳出決算額は、150億5,165万5千円となり、42億7,367万3千円の減額となりました。

 

2 普通会計歳入歳出決算内訳

歳入

 

 

 歳入総額は157億2,198万9千円で、41億1,381万9千円の減額となりましたが、これは、特別定額給付金給付事業費国庫補助金(△18億4,180万円)の皆減、役場庁舎建設事業債の減額(△8億2,980万円)、哺育育成施設整備事業債の減額(△4億6,240千円)などが主な要因です。

 

 主要な一般財源の状況は次のとおりです。

 

 地方税(町税)の状況は、全体で32億3,161万7千円、740万3千円、0.2%の減額となりました。

 町民税は、個人及び法人を合わせた町民税総額で127万9千円、0.1%減少の13億4,482万5千円となりました。

 また、固定資産税では、家屋の床面積の減少や、企業の設備投資に伴い増収となり、家屋では34,558千円の減額、償却資産では32,826千円の増加、固定資産税総額で1,344万円、0.1%減額の16億2,454万3千円となりました。

 地方譲与税と各種交付金は、地方消費税交付金が3,807万9千円、8.6%の増加、自動車税環境性能割交付金が7万1千円、0.3%の増加、地方特例交付金が3,124万9千円、120.7%の増加となり、全体では9,906万2千円、11.6%増加の9億5,011万9千円となりました。

 本年度歳入の約24.7%を占める地方交付税のうち普通交付税は、基準財政収入額が93,369千円の減少となり、また、個別算定経費の単位費用の増加などにより、基準財政需要額(臨時財政対策債振替後)が273,429千円の増加となったことから、3億6,999万8千円の増加となりました。特別交付税は、7,623万円の増加となり、地方交付税全体では38億8,551万4千円で、4億4,622万8千円の増加となりました。

 以上、経常一般財源(都市計画税は除く)は、基準財政収入額の減少及び基準財政需要額の増加に伴い、普通地方交付税の大幅増となったことから、総額で75億7,537万1千円、4億7,787万2千円、6.7%の増加となりました。

 

 特定財源の主な状況は、次のとおりです。

 

 分担金及び負担金は、道営土地改良事業受益者負担金が、3,803万4千円減額となり全体では3,319万8千円減少の1億4,439万4千円となりました。

 

 使用料及び手数料は、公営住宅使用料が208万円の増加となり、全体では481万1千円増加の2億8,928万5千円となりました。

 

 国庫支出金のうち、特別定額給付金事業国庫補助金が18億4,180万円の皆減、新型コロナウイルス対応臨時交付金が2億591万1千円の増加、住民税非課税世帯等臨時特別給付金給付事業費国庫補助金が1億4,360万円の皆増となり、全体では11億3,596万9千円減額の23億2,002万4千円となりました。

 

 道支出金のうち、畜産・酪農収益力強化整備等特別対策事業道補助金は、5億5,189万7千円の皆減、強い農業づくり事業(産地競争力の強化)補助金は、5億6,851万6千円の皆減、産地生産基盤パワーアップ事業道補助金は4億55万2千円の減額となり、全体では17億2,082万5千円減額の10億4,563万7千円となりました。

 財産収入は、土地売払収入が2,499万6千円増加となり、全体では2,694万2千円増額の6,154万4千円となりました。

 

 寄附金は、ふるさと応援寄附金が7,292万円の減少により、7,192万円減少の1億1,676万1千円となりました。

 

 繰入金のうち、寄附金管理基金繰入金が3,083万5千円、農業振興基金繰入金が709万5千円、地域振興基金繰入金が233万8千円の増加となりました。また、庁舎建設基金繰入金が2億2,010万9千円、減債基金繰入金が1億2,613万9千円の減少で、全体では3億1,358万4千円減額の5億6,645万7千円となりました。

 

 繰越金は、3,579万5千円増加の5億1,048万円となりました。

 

 諸収入は、5億2,184万5千円で5億7,728万3千円の減少となりましたが、これは畜産・酪農収益力強化整備等特別対策事業補助金5億5,189万7千円の皆減などによるものです。

 

 町債は、役場庁舎建設事業債が8億2,980万円の減額、哺育育成施設整備事業債が5億9,850千円減額、光ファイバー整備事業債が1億9,520万増加、芽室西中学校校舎外壁・体育改修事業債が1億8,650万円の増加したことなどから、全体で8億8,128万1千円減額の20億7,831万2千円となりました。

歳出

 

 歳出総額は150億5,165万5千円となり、42億7,367万3千円の減額となりました。特別定額給付金事業費補助金の皆減(18億4,180万円)、保育育成施設建設工事の11億5,826千円の減額等が主なものとなっています。

 

 経常経費の総額は、116億1,944万円で19億7,531万円3千円減少しました。これは、特別定額給付金事業費補助金や畜産・酪農収益力強化整備等特別対策事業補助金などの補助費等で31億2,421万2千円の減額となったことが主なものです。

 

 また、経常経費のうち経常的なものの総額は84億6,925万7千円で5億4,510万6千円の増加となり、充当一般財源は64億7,401万5千円で4億248万7千円の増加となりました。これは減債基金繰入金繰入の皆減などにより、公債費への経常一般財源充当額が3億5,972万7千円増加したことが主な要因となっています。

 

 人件費は、職員給で2,289万2千円増加しましたが、会計年度任用職員(フルタイム)の任用期間が12か月を超えた者が社会保険から共済組合に移行したことで人件費が増加などにより、議員・委員等報酬を含めた人件費総額は、1,037万7千円の増加となりましたが、投資的経費充当分を含めた人件費合計は770万5千円減少の18億9,978万8千円となりました。

人件費分析
3年度 2年度 増減
人件費 1,855,119千円 1,844,742千円  10,377千円
投資的経費に充当された人件費   44,669千円   62,751千円 △18,082千円
人件費 計 1,899,778千円 1,907,493千円  △7,715千円
職員給与分析
区分 3年度 2年度 増減
うち職員給与 1,041,748千円 1,018,856千円 22,892千円

 

 義務的経費(人件費・扶助費・公債費)は49億37万2千円となり、人件費では1,037万7千円増加の18億5,511万9千円、公債費は2億3,358万9千円増加の10億3,107万6千円となりました。

 

 扶助費は20億1,417万7千円で、扶助費全体では4億7,059万1千円の増加となりました。

 

 消費的経費(人件費・扶助費・公債費・物件費・維持補修費・補助費等)のうち、義務的経費以外の物件費は新型コロナウイルスワクチン接種委託料の皆増、ワクチン接種体制確保委託料の皆増などにより、21億4,824万4千円で、物件費全体では、4,663万3千円の増加となりました。

 

 維持補修費は、郊外地道路施設維持管理業務委託料で1,582万1千円の増加、街灯電気料で434万2千円の増加、道路等維持修繕費で611万7千円の増加などにより、1,220万円増加の5億468万8千円となりました。

 

 補助費等については、特別定額給付金事業費補助金で18億4,180万円の皆減、畜産・酪農収益力強化整備等特別対策事業補助金で5億5,189万7千円の減少、強い農業づくり事業(産地競争力の強化)補助金(R1繰越)で4億2,587万5千円の減少、産地生産基盤パワーアップ事業補助金で4億55万2千円の減少などで合計では31億2,421万2千円減少の23億2,388万2千円となりました。

 

 投資的経費は34億3,221万5千円で22億9,836万円の減額となりましたが主な事業の増減は次のとおりです。

 

 庁舎建設推進事業(10億3,249万円減額)、新庁舎備品購入費(1億423万減額)、哺育育成施設建設工事(14億1,956万2千円減額)

 

 その他経費として、積立金については、寄附金管理基金積立金で2,879万6千円の増加、農業振興基金積立金で6,674万6千円の増加、公共施設整備基金積立金で1億2,677万9千円の増加、減債基金積立金で1億1,357万6千円の増加となるなど、合計では3億8,419万円増加の6億6,137万5千円となりました。

 

 また、貸付金は700万円増額の3億2,760万円です。

 

 

繰出金は1,031万7千円の増額で5億7,124万3千円となりました。特別会計への繰出しは、国民健康保険特別会計で74万の増額、介護保険特別会計で451万9千円の減額、簡易水道特別会計で2,036万7千円の増加となりました。

 なお、普通会計ベース決算とするため、介護サービス事業勘定会計への繰出しが4,122万円で、851万2千円減少しています。

【実質収支】

 この結果、歳入歳出差引額は6億7,033万4千円で、翌年度に繰り越すべき財源5,836万5千円を差し引いた実質収支は6億1,196万9千円の黒字となりました。

 

3 主要指標および資産負債残高

経常収支比率:〔81.2%〕 1.0ポイントの減少

 

 比率の分母となる歳入経常一般財源は、地方消費税交付金が3,807万9千円増加、地方特例交付金で3,045万9千円の増加、地方税で921万7千円の増加などがあり、普通交付税は3億6,999万8千円増加し、合計では、75億7,537万1千円で4億7,787万2千円の増加となりました。

 なお、臨時財政対策債4億221万2千円を加えた合計では79億7,758万3千円で5億9,231万5千円、約8.0%の増加なりました。

 比率の分子となる歳出充当経常一般財源は、前年度と比べ、物件費、公債費などで増加となりました。

 この結果、合計では64億7,401万5千円、4億248万7千円、約6.6%の増加となり、比率の分母となる歳入経常一般財源8.0%の増加に対し、分子となる歳出充当経常一般財源が6.6%の増加となり分母を下回る増加であったため、経常収支比率が低下することとなりました。

基金積立金残高:〔28億7,040万7千円〕

※9,491491万1千円の増加(地方財政状況調査ベース)

 

 主なものは、財政調整基金の増加(5,002万2千円)、公共施設整備基金の増加(1億5,022万9千円)、農業振興基金の増加(8,777万1千円)庁舎建設基金の減少(2億2,362万3千円)となっています。

基金積立金残高の内訳
基金 残高
財政調整基金 1,102,348千円
減債基金  132,148千円
公共施設整備基金  762,879千円
地域福祉基金  218,795千円
地域振興基金  129,390千円
農業振興基金  217,357千円
庁舎建設基金     0千円
その他  307,490千円
基金合計 2,870,407千円
備荒資金残高の内訳
基金 残高
(参考)備荒資金普通分残高  130,241千円
(参考)備荒資金普通超過分残高  269,119千円

地方債残高:〔133億6,092万5千円〕

10億8,873万8千円の増加

 

 起債残高の増加については、元金償還が9億8,957万3千円に対し、発行額が20億7,831万2千円であったためです。

 なお、令和4年度の起債発行予定額は15億1,560万円であるのに対し、元金償還額約9億1,841万9千円のため、今後の起債残高は増加傾向にあります。

 

財政健全化法に基づく指標

  地方自治体の財政の健全化に関する法律に基づく、令和2年度決算に基づく各指標は次のとおりです。
 なお、令和3年度決算に基づく指標については、8月初旬に算定するため確定後、監査に付す予定であります。

比率 芽室町 早期健全化基準 財政再生基準 備考
(1)実質赤字比率 該当なし 13.96% 20%
(2)連結赤字比率 該当なし 18.96% 30%
(3)実質公債費比率
(18%以上起債許可団体)
4.4% 25% 35% 18%以上
起債許可団体
(4)将来負担比率 58.5% 350% -

 注)連結赤字比率の財政再生基準については経過措置があり、平成20年度および平成21年度は40%、平成22年度は35%、平成23年度以降は30%

 実質赤字比率については、一般会計において実質収支が黒字であったため、該当しません。

 連結実質赤字比率についても、全会計の実質収支の合計額が黒字であったため、該当しません。

 実質公債費比率については、前年度から0.4ポイント増加し、4.4%となりました。

 将来負担比率については、前年度から38.8ポイント増加し、58.5%となりました。

 なお、18.0%以上の起債許可団体になると実質公債費負担の適正な管理のため公債費負担適正化計画を策定しなければなりません。

 

4 まとめ

 令和3年度の決算状況を見ますと、地方税や地方交付税の増により経常一般財源は増加しましたが、臨時財政対策債を加えた額では、8.0%の増加となりました。また、経常経費への充当一般財源については、公債費等の増により、4億248万7千円、6.6%の増加となりました。

 このことから、経常収支比率は1.0ポイント減少し、81.2%となり、数値は下がったものの、財政の硬直化は続いております。

 経常一般財源の割合は町税が約42%、普通交付税も約46%を占めており、町税においては、償却資産が設備投資などにより伸び、全体として町税収入は増加しました。また、普通交付税についても、増加しております。

 また、起債償還額及び起債残高は、役場庁舎や地域集会施設の建設、光ファイバー整備事業債などインフラ整備にかかる新規借入により増加しており、今後は起債の償還額の増加による財政負担への影響が見込まれます。今後においても、財政の硬直化は予断を許さない状況が続くと予想されます。そのため、これまで以上に歳出全体の見直しを図るとともに、特別・企業会計の健全化を進め、歳入においても収納の一元化により収納率向上を図るなど、歳入の確保が求められます。

 国は「経済財政運営と改革の基本方針2022」を閣議決定しましたが、財政再建目標には直接触れず、経済社会の構造を変化に対してより強靭で持続可能なものに変革する「新しい資本主義」を起動するとし、持続的な経済成長に向けて、官民連携による計画的な重点投資を推進し、危機に対する必要な財政支出は躊躇なく行い万全を期す。経済あっての財政であり、経済をしっかり立て直した上で財政健全化に向けて取り組むとされており、これまでの財政健全化目標に引き続き取り組むという内容にとどまりました。

 しかし、新型コロナウイルス感染症対策などのため、国の財政状況は悪化しており、地方交付税の原資となる法定5税についても減少が予想されていることから、来年度以降の臨時財政対策債を含めた地方交付税の見通しとしては、大変厳しいものと考えられます。

 したがって、持続可能なまちづくりを進めるため、第5期芽室町総合計画に基づきながら、今後より一層厳しくなると見込まれる財政状況に対応できるよう、長年続けてきた事業についてもゼロベースで検証し、長期的な視点に立った安定的な財政運営に努めていかなければなりません。

資料

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芽室町役場 政策推進課
TEL 0155-62-9721(直通)
〒082-8651 芽室町東2条2丁目14

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